CLIP STUDIOで出力された画像と画面で色が違う問題、その解消

概要

CLIP STUDIOでイラストを作成した際、描画している色とpng等での出力結果に差があった。

原因はモニターが持つカラープロファイルによる画面の表示と、sRGBによる色出力結果の違いによるものだった。

png/jpgでのカラープロファイルに基づいた出力方法がわからなかったため、最終的にはsRGB表示でのプレビューを有効にした状態で色の調整・加筆を行って対応した。

2022年10月18日更新

上記ツイートのようにすると、Windowsにプリインストールされたカラープロファイルをモニターに対して適用できるようになる。

無事に画面の色情報が統一された状態で作業ができるようになった。

やったー!

追記おわり

環境

症状について

画像を出したほうが早いのでお見せします。

左がクリスタ、右がpngで出力したものです。 問題解決の試行錯誤をしている過程のファイルを改めて並べているので、作画進行度に差がある可能性があります。

クリスタの画面で表示されている左のほうが、色がはっきりとしており、特に赤色については顕著な違いがあります。

改めて過去のイラストも確認したところ、イラストの色が確実にクリスタと出力結果のpngで異なっています。

左クリスタ・右windows標準のプレビュー。特に肌や服の赤みが異なる

疑ったこと

  • モニターの設定が悪い
    • モニター本体ではプロファイルに関する設定メニューはありませんでした
  • windowsの設定が悪い
    • ディスプレイ設定からは、ディスプレイの物以外にカラープロファイルの変更はできませんでした
      • 2022年10月18日追記:できるようになりました。ブログ上部のツイート参照。
  • CMYKとRGBの違い
    • 実際に印刷はしないので関係ないと判断しました
  • クリスタの設定が悪い
    • これが原因でした

クリスタの設定について

カラープロファイルがモニター特有の設定となっており、pngやjpgの出力で使用されるらしいsRGBと異なる見た目で作業をしていたことが判明しました。

表示 > カラープロファイル > プレビューの設定

これをjpgやpngで出力される際に用いるsRGBの設定にしてプレビューをONにしておかなければ、モニターが持ち込んだカラープロファイルに基づいてクリスタが色の表示をするため、出力結果が描画画面と異なるものになってしまうようです。

解決方法

プロファイルをsRGBに変更し、表示 > カラープロファイル > プレビュー を有効にして、加筆と色味の修正を行いました。

次回以降の起動時にsRGBで描画画面が表示されるように、 ファイル > 環境設定 > カラー変換 > RGBプロファイル をsRGBに変更しました。 多分この設定をしておけば次回以降大丈夫なはず。多分。

①RGBプロファイル CLIP STUDIO PAINTのデフォルトRGBプロファイルを設定します。初期値では、OSの指定するモニタプロファイルが指定されています。 [環境設定]ダイアログ上でプロファイルを変更した場合は、OSの指定するプロファイルにかかわらず変更したプロファイルになります。 *1

わからなかったこと

jpgやpngで出力をしたかったので、カラープロファイルに基づいてこれらを出力する方法を探しましたが、見つかりませんでした。

ナビゲーター画面ではディスプレイのカラープロファイルが適用されるらしく、描画画面との色の差が気持ち悪いです。 sRGBで作業することで出力結果との差異がなくなる、という結論を自分の中で出しましたが、これはなんとか解消したい。

そもそも色については、

「R:255、G:0、B:0」は、「そのモニタで表示できる最も赤い色」というデータなのです。それぞれのモニタは機種ごとに表現できる色域に違いがあるため、「R:255、G:0、B:0」の時に実際に表示する色もそれぞれ異なる、ということになります。

ということらしいのですが*2、同モニター内で差があると作業にも影響がでます。

また、クリスタではメインディスプレイのみにカラープロファイルの設定が適用されるとありますが*3、サブディスプレイにしているモニターへクリスタのアプリケーションを移動させても、異なる色で出力されました。

ナビゲーターについては、サポートにも問い合わせをしてみる予定です。

調べたほうが良さそうなこと

  • sRGBのカラープロファイルをインストールしてWindows側で適用できるか
  • clipファイルやpsdファイルを入力してカラープロファイルで出力できる仕組みやアプリケーションが存在するか

その他

この手の話や設定について、デザイナーさんや職業イラストレーターの皆さんにとっては常識の知識なのでしょうか。

この他になにか気にしておいたほうがいいことがあれば教えていただけますと幸いです。

最後に

完成したイラストです。

特に赤の発色を最終的にどう調整したか気になる方はこちらご確認ください。

このほか、自分が投稿したイラストをあとから見返して色がくすんでいるなあ、どうも薄いなあと感じてしまっていた原因の一つがこのカラープロファイル設定だったようです。

最近は特定の人にむけて(勝手に)絵を描くことが多かったので、勝手に申し訳ないし悔しく感じています。

最後に、たまたま通話に居合わせたにも関わらず明朝まで原因調査と制作に付き合ってくれた友人に感謝を。

twitter.com

参考になった記事