スマブラと人生設計

スマブラ Advent Calendar2017の16日目です.

スマブラがすきだけど人生どうしよう〜><

日本で大乱闘スマッシュブラザーズ for Wii Uが発売されたのが2014年12月6日.既にスマブラforは3周年を迎えていたみたい.読者の皆さん気づいていましたか?

日本ゲーム大賞グローバル部門の3年連続受賞は果たせなかったスマブラfor

アップデートが終わったスマブラfor.

switchの隆盛に伴いWii U の生産が終了し,プレイヤー人口拡大が絶望的になったスマブラfor.

闘会議2018の競技種目に採用されるも,プロライセンス発行種目に選ばれなかったスマブラfor

このゲームは面白いし人が集まるともっと楽しい. パーティーゲーム要素とeSportsになりうる要素が同席した間口の広さ✕奥深さで表現できるゲーム性も素晴らしい. 気持ちのいい操作感も忠実なキャラクターデザインも素晴らしい.

しかし,発売3年目にしてこのゲームは停滞を迎えつつある.

スマブラ曆においては3年で停滞は早いと判断される話だと思う.ユーザーコミュニティが競技文化を作ってきたスマブラだからこそ,人の出入りも少なくなりゲーム性の変化もなくなったここからが正念場となるのかもしれない.

だけど一歩引いた立場で見た時,強烈なスポンサードをされるか海外大会で成績を挙げない限り満足なお金も発生せず,殊更日本において社会的地位の向上も困難なこの界隈に人生の片足を突っ込み続けるのは,相当な情熱か圧倒的なプレイヤースキル,人との繋がりがないと難しいんじゃないのか.

……とか書くと,「じゃあさっさと界隈から去って新しいことやれ」「所詮ゲームなんだから好きなようにやれ」と言われるだろう.それはまごうことなきド正論で.スマブラforも星の数ほどあるゲームのうちの1本に過ぎない.

僕はスマブラで世界で指折りのトッププレイヤーになってやるという意気込みもないし,客観的に見ても(ガチ勢の中では)そこまで強いプレイヤーではない.

でも僕は,あーだこーだ言いながら結局スマブラが好きなようで.じゃあどうすればいいんだろうと,どうやってこのスマブラ愛を人生と社会に役立てていくのだろうと,そんな感じでただいま人生設計に困っている……というのがこの記事の本題.

感覚的に言えば,卓球部に入って3年頑張って活動したけど,卓球のプロにはなれないしそもそもなる技量も意志もない.でも卓球は好きだから卓球になんらかの形で関わる人生を送りたい.そんな話.

ああ,自分の納得のいく適当な職について趣味で土日にスマブラやりましょう,で済む話かも.

かもだけど,これで話を終わらせたくない.

だってスマブラは面白いし,トッププレイヤーの試合は興奮するし,世界規模でコミュニティがあって人が沢山いるし,対戦動画は見ていて飽きないし,友達づくりの切っ掛けにもなってくれる.

僕は面白いことをやっている人,卓越したスキルがある人,人や社会から感謝されることをやっている人にはなんらかの利益が発生して欲しいし社会的地位が上がって欲しいと心から願っている. でも,スマブラ界隈,スマブラfor界隈というユーザー主体で活動が続いているコミュニティに身を置きながら,実力も技術もない僕がスマブラで生計を立てるにはどうしたらいいんだろう.

このスマブラというゲームと,ゲームコミュニティを形成する人々を愛してしまったがゆえに,どうやったら社会に正面切ってこの大乱闘スマッシュブラザーズというゲームが好きだと表明できるのかをここ最近ずっと考えていた.

その答えはまだ出ていない.時間もお金も使った.でも愛だけじゃご飯は食えない.

後で自分の人生の振り返りに使えるように,ここで一度,トッププレイヤーでも情報発信屋でもない,いちプレイヤーの僕がやったこと,やれなかったことをここでまとめておきたいと思う.

何者にもなれない自分を見つめ直すのはn回目だけど,こうして人目に付く形で文字に書き起こすのは初めてかも.

人生の分岐点を前にしてちょっとだけナーバスになっているんだ.読みたい人だけ読んでいってほしい. そして,「まだまだ熱いぜ」をキャッチに掲げたAdvent Calendar企画にチラシの裏を投げ込むことを許して欲しい.

やったこと

ゲームコミュニティの生命維持活動

こんな風に書くと大げさだけど,要はネス窓を初めとしたコミュニティの運営.

僕がネス窓に入ったのはSkype時代の初期も初期,恐らく3DS版が発売されてすぐの2014年の10月か11月の頃. 窓内イベントの裏方をやりつつ,Discordの本格稼働を期に本格的に人が去りつつあったネス窓をもう一度盛り上げようと腰を上げたのが2016年12月.正式にネス窓主になったのが2017年2月.

Discordで快適にコミュニティ活動ができるようにネス窓サーバを整備したり,イベントを企画したりした.

海外のネス使い達ともほんのちょっとだけ交流した.

キャラ窓界隈の中でもDiscordの導入にいち早く乗っかったことを切っ掛けに,他窓主や配信者と協力しながらキャラ窓同士の交流や情報交換ができる空間(対抗戦窓)づくりに一枚噛ませてもらった.

といっても正直初期段階だけで,僕自身は結果的にそこまで貢献していない.火種を作って,後は燃えたり他の人が薪をくべるのを眺めていた感じ.

大学サークルの設立 / 学園祭での大会企画

2016年の半ば頃,大学非公認のスマブラサークルを作った.

スマブラが世界中で遊ばれていてこんなに熱いゲームなら,弊大学内にもっと夢中になる・なっている人がいるはずだ!」という希望的観測から,一緒に遊んでいた友人を巻き込んで立ち上げた.

Twitterを基点に呼びかけ,設立1年目こそ人の集まりも小さく目ぼしい活動もできなかったが,今年度は新歓で奇異の目を向けられながらも参加者を募って,自分の家を開放したりしながらも,なんとかサークルらしい人の賑わいを作った.

学園祭でも大会企画を出展.ガチ勢が繰り広げる戦いの面白さと,ゲームや企画に興味を持った人もふらっと参加できる気軽さの両面性を実現することを目標に,大会企画と常設体験企画の同時開催をした.

大学隅の教室で行われた小さな企画ではあったが,僕自身の知り合いを含めたガチ勢の参加と,興味を持ち足を運んでくれた学生や小さな子どもたち,成功に尽力してくれたサークルメンバー達のお陰で無事に企画を成功させることができた.

その裏で,僕自身のタスク管理の甘さが随所で見られ,そのリカバリーのために多方面に迷惑を掛けたことも残しておく. これ以上ないくらいに僕自身の人間性を見つめ直した企画であった.

Advent Calendar文化の持ち込み

やり始めたのは2016年,今年で2年目.

技術者界隈を中心に広まったこの企画は,活動履歴や思いがTwitterだけに垂れ流され,いずれは見えなくなってしまうこのコミュニティの痕跡を作るのにいい影響を与えてくれるかもしれない,何より人が書いたスマブラ愛を読みたい.そんな考えからAdventarにカレンダーを作り,記事を書いてくれるようにと宣伝を打った.

実はaMSaプロが2015年の段階で構想をTwitterに投稿しており,そのインスピレーションに間違いなく影響を受けている.

幸いにもトッププレイヤーや界隈に強く貢献している人たちの拡散力を借りることができ,50本のスマブラに関する記事が投稿された.

Twitterは便利だが情報が残らない.スマブラに関する情報やコンテンツは目に見える形で残していって欲しいという思いが続く限り,僕は毎年スマブラAdvent Calendarを立てて技術や思いを文書化するように促し続けるし,多分僕が立てなくてもこの企画を楽しんでくれた誰かが立ててくれるんじゃないかなと思っている.

オフ大会・宅オフへの参加

最初に参加したウメブラはいつだったろう.多分2015年の夏. 常連レベルではないものの,両手を使って数えられない程度にはなんらかのスマブラオフへ参加した.

目ぼしい結果は残していないが,ネットを介して知り合った人と直接顔を合わせて遊ぶ体験は新鮮で,最高に楽しい.今年は大阪のスマバトにも参加することができて,オンでのみ関わりのあった西日本のプレイヤーにも直接対面できた.

できなかったこと

トッププレイヤーの仲間入り

自覚していることだが,僕は絶対1番になってやるという競争心がない.なので,スマメイトの参加もそこそこに,スマブラをやっていて楽しいという気持ちだけでスマブラコミュニティに浸かっている.

カジュアルプレイヤー以上には多分ならないし,今後もなれないと思う……と書くと自分の限界が決まってしまいそうで嫌かもしれない.一応,去年の自分よりは強くなっている自信があることだけは後付けしておく.

モノを作って残す

僕は,情報系の技術を学んだり学ばなかったりして今に至る.去年の段階から「こんなものがあったらいいかも」「こんな記事で情報をまとめるといいかも」などという,アプリ制作や情報発信の構想はあった.しかし,モノとしては何も作らずに2017年の終わりを迎えそうだ.

学問的実績

そんなこんなで人生は過ぎていき,客観的に見て,社会で評価されるような専門的な技術や学問的成果が実っていない.サークルやボランティアを頑張っていればなんでも好きな仕事ができるとは限らないのが今の世の中らしいので,自分の頑張りや能力をポートフォリオとして束ねられないのは,僕がこの3年間で背負った最も重い自己責任. やることやってスマブラしないと後々苦労するということを,身をもって体験している最中である.

スマブラをどう人生に乗せていくか

最初にも言ったとおり,スマブラは所詮ゲームと切り捨てられかねないコンテンツだし,僕はゲームそのものとゲームに関係するコンテンツを楽しんでいるいち消費者に過ぎない.

でもどちらかというと僕は,遊ぶことだけじゃなくてそこから生まれる『ナニか』が一番好きみたいだ. そして,それを中心に人生回していければ楽しいだろうなと考えてもいるらしい.

スマブラによって身を立てるには,糧とするには,これを好きと言い続けるには.

はいやーめた,とすべてリセットするには,このゲームと界隈に感情と時間を乗せすぎた気がする.

アイドルオタクがアイドルの卒業とともに社会的に見た自分と絶望に気付き,階段先にぶら下がる縄を眺める社会風刺漫画がちょっと前にTwitterで流行った.半分くらいそんな気分だ.

別にスマブラでなくてもいい.好きという感情に価値を持たせたい.これが実現できれば,きっと少しは人生幸せになれる気がする.そのためには何が必要なのか?

「やらなければ,はじまらない…」が直近で聞いた心にキたフレーズだ. 僕は何をやればいい?

ここまで深刻になられるときっとゲームの開発者も迷惑だろうな,という余計な心配を残して,このチラシの裏を締めくくらせて頂く.

これを読んだ人に聞きたい.あなたはスマブラというコンテンツにこれからどうやって関わっていきますか?